啓蟄
意味
啓蟄とは、二十四節気の一つで、冬の眠りから覚めた虫たちが動きはじめる時期のことです。
今の暦では3月5日か6日ごろ、旧暦では二月の前半にあたります。
昼の長さがどんどん延びていくのは、春の彼岸が近いためです。
それでも寒さはまだ残り、暖かい地方で雪の降る年もあります。
虫出しの雷は、この時期に初めて鳴る雷のことで、昔の人はこれを、虫が土から出てくる合図と受け取りました。
由来
「蟄」は虫が土にこもること、「啓」は開くことで、名前は「蟄虫啓戸」という四字の句から来ています。
江戸時代の書物には「驚蟄」という字で載っていて、「蟄虫咸動啓戸始出」とあります。
こもっていた虫がみな動き出し、戸を開いて初めて外へ出る、という意味です。
高浜虚子をはじめ、近代の俳人が句に詠みこむようになって、「啓蟄」の語は季語の仲間に入りました。
例句
啓蟄のいとし児ひとりよちよちと
蛇笏『山廬集』
啓蟄の夜気を感ずる小提灯
蛇笏『春蘭』
奥嶽も啓蟄となる宙の澄み
蛇笏『家郷の霧』