餅花
本によっては、冬の季語とします。
意味
餅花とは、木の枝に付けて花が咲いたように見せる、小さな餅や団子の飾りです。
餅や団子の色と形はさまざまです。
飾るのは小正月で、神棚や部屋の中に置きます。
使う枝は柳などで、ミズキや栗、エノキの枝でも作ります。
餅や団子は、実った作物をまねた形にします。
作るのは、その年の豊作を祈るためです。
東日本に多い飾りで、西日本にも見られます。
神棚のある部屋では、米俵を台にして大きな餅花を立てる所もあります。
宝船や小判、農具の形に作った団子は、こうした大きな餅花に飾るもので、ミカンを添えることもあります。
由来
江戸時代の書物では、冬(昔の暦の十二月)の言葉とされ、「児女、小丸の餅を枯枝に貼て、これを翫ぶ」と書かれています。
子どもたちが、小さく丸めた餅を枯れ枝に付けて遊ぶものだった、という意味です。
傍題
「繭玉」は、餅花のうち、繭の形に似せて丸めたものの呼び名です。
繭のほかに、粟の穂や稲の花をまねて作るものもあります。
例句
餅花や庵どつと揺る山おろし
蛇笏『霊芝』
餅花に髪ゆひはえぬ山家妻
蛇笏『山廬集』
繭玉に燈明の炎を感じけり
蛇笏『霊芝』