数の子
意味
数の子とは、ニシンの卵巣、つまり卵がぎっしり詰まった袋を食べ物にしたものです。
ニシンが持つ卵の数は、5万から10万ほどにもなります。
おせち料理に入るほか、婚礼の祝いにも出されます。
よく食べられるのは、しょうゆに漬けたものです。
数の子には、干してつくるものと、塩に漬けてつくるものがあります。
今、店に並ぶのは「塩数の子」ばかりで、第二次世界大戦のすぐ後まで多かった「干し数の子」は、ほとんど見られなくなりました。
干したものは色が茶色く、食べる前に水で戻すのにも時間がかかります。
今の数の子は、材料を外国に頼っています。
日本の近くの海で、ニシンがあまりとれなくなったためです。
買い入れるのは卵を持ったニシンか数の子で、ロシアやアラスカ、カナダなどから届いたものを、国内で加工しています。
由来
「数の子」は、ニシンの古い呼び名「かど」に「子」を付けた「かどの子」の音が変わったものだといわれます。
「かど」の名は東北地方などで使われていました。
卵がたくさんあるから「数の子」だ、とする説もあります。
室町時代の終わりから安土桃山時代にかけて、数の子は身分の高い人をもてなす料理に使われるようになりました。
町の人々の正月の祝いにまで広まったのは、遅くとも元禄(1688〜1704年)のころです。
江戸時代の書物には、年の暮れや年の始め、婚礼のある家で祝いに出す、とあります。
そのわけを「多子の義に取るなり」、つまり子が多いという意味にあやかったのだ、と説いています。
今、正月に数の子を食べるのも、同じ願いからです。