太箸
意味
太箸とは、白木を削った太い箸で、正月に雑煮を祝うときに使うもののことです。
ふだんの箸より長めに作られたものが多く、木は柳がよく使われます。
白膠木という木で作ることもあります。
丸く太く削ってあるのは、箸が折れるのを縁起が悪いとして嫌うからです。
この箸は人が雑煮に使うほか、正月に家の神々へ供えるものでもあります。
同じ種類の箸は、正月のほか亥の子の祝いにも使われることがあります。
由来
江戸時代の書物には、箸が折れるのは馬から落ちる前ぶれだ、という言い伝えが書かれています。
ある将軍が幼くして世を治めていたころ、元日の儀式で箸が折れ、その年の秋に落馬して亡くなった、と続きます。
跡を継いだ弟が、箸が折れないように太くさせたのが始まりだといいます。
同じ書物は、話の最後を「古実にはあらず」(昔からのしきたりによるものではない)と結んでいます。
傍題
「雑煮箸」は雑煮に使うことからの、「柳箸」は柳の木で作ることからの呼び名です。
祝いごとの膳に出す箸なら、正月のものでなくても「祝箸」と呼ぶことがあります。
例句
太箸やいたゞいておく静心
蛇笏『山廬集』