年としの市いち

季節:
冬
分類:
生活
傍題(別の言い方):
  • がさ市いち
  • 暮市くれいち
  • 歳としの市いち

意味

年の瀬が近づくと、町や村には正月の品を商あきなう市が立ちました。
これが年の市です。
店先には、縁起物やしめ飾りのほか、台所で使う道具や、正月に食べる物も並びます。
多くの年の市は、神社やお寺、道ばたなど、毎年同じ場所に同じ日取りで立ちます。

大晦日おおみそかの市には、「捨市すていち」という呼び名もありました。
いまは、年の暮れの大売り出しにもこの名が使われます。

由来

江戸時代の書物には「来春らいしゅん用もちふる物を悉ことごとく売るなり」とあります。
新しい年に使う物なら何でも売っている、という意味です。
正月の買い物を、毎月の市のうちの暮れの回で済ませる土地も多くありました。
暮れの市に山姥やまうばが出るという言い伝えのある地方もあり、ふだんの市とは違う特別な市と受け止められていたようです。

傍題

「暮市くれいち」という名は、毎月の市の暮れの回から出ています。
「がさ市」は、年の市のうち、しめ飾りを売る市をいいます。
「歳の市」は、年の市の別の書き方です。

例句

  • 年の市何しに出たと人のいふ

    一茶『文化句帖』

冬の生活の季語